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男性因子による不妊の治療


 男性不妊の原因の90%は精巣で精子がうまく作られないことが原因です。精子が全く作られていない場合は別として、少しでも精子が作られていれば妊娠の可能性があります。

 精子の数がやや少ないという場合には精子を洗浄、濃縮して排卵にあわせて子宮の中に注入する人工授精が有効です。人工授精を行うとより多数の精子が卵管に向かうことになるので、精子の濃度が少なくても妊娠に必要な数の精子が卵管に到達する可能性が増えます。

 精子の数がきわめて少ない、あるいは人工授精ではなかなか妊娠されないという場合には顕微授精の適応になります。現在行われている顕微授精はICSI法といってマイクロマニピュレーターという機械を使ってガラスの細い針で卵巣から採取した卵子に精子を一匹だけ注入する方法です。大谷産婦人科では神戸ではじめてこの方法による顕微授精に成功しまし、以後非常に高い妊娠率を維持しています。

 精液の中に精子が全くいない場合でも、睾丸から精巣の組織をとってくると、その中には精子がいることがよくあります。こういった場合には精巣から得られた精子を使って顕微授精を行います。

 精巣で作られる精子を少しでも増やす可能性のある薬としてはクロミッドやhMG、パーロデルなど女性の排卵障害に使うのと同じ薬が試されており、効果が見られることもあります。また、ビタミンB12、ビタミンE、カリクレイン、漢方薬などの代謝を改善する薬も精液の所見を改善するのに良いとされています。

 精巣に静脈瘤があると精巣の温度が上がってしまい、精子があまり作られなくなってしまいます。こんな時には静脈瘤を手術で治すと精子が増える可能性があります。この手術の有効率は約50%です。

 精巣で精子が作られていても射精に至るまでのルートのどこかがブロックされていると妊娠できなくなってしまいます。ブロックされた場所によっては泌尿器科でつまっているところを手術で治してもらうことができる場合もあります。



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