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卵管の異常による不妊症の治療


 卵管は子宮とおなかの中をつなぐ約10cmの管です。卵管は子宮側が細く、腹腔側がラッパのように広がった形をしています。卵管のおなかの中への出口を卵管采と呼びます。排卵によって卵巣から飛び出した卵子は卵管采に取り込まれて、子宮から卵管の中を泳いできた精子と出会って受精します。受精した卵子は卵管の中で細胞分裂を起こしながら徐々に成熟し、子宮の方に運ばれます。



 このように、卵管は受精や卵巣から子宮への卵の運搬に重要な役割を果たしていますから、卵管に異常があると妊娠しにくくなってしまいます。

 卵管の異常は不妊の原因の中でも最も多いものです。卵管の異常を起こす原因には卵管の炎症や子宮内膜症、あるいは手術の後の癒着などがあります。

 もし、卵管に感染が起こると、デリケートな卵管が詰まってしまったり、あるいは卵管の内側の細胞の表面に生えている繊細な絨毛が破壊されたりすることがあります。炎症の原因となる細菌などの微生物は女性の膣から子宮を経て卵管にあがってくることがほとんどです。卵管炎が起こってしまったら、なるべく早期に抗生物質を服用して治療する必要があります。医師の処方通りに抗生物質を服用すれば殆どすべての卵管炎は治療可能ですが、治った後に卵管の狭窄や閉塞、癒着などを残すことがあります。



卵管の癒着
卵管通水法
 軽い卵管の狭窄の治療のファーストチョイスは卵管通水法により卵管の通りを改善することです。この治療は月経が終わってから排卵までの間に行います。子宮の入り口から軟らかいカテーテルを挿入し、薬剤を含んだ生理食塩水あるいは造影剤をゆっくり注入します。注入した液の圧力で卵管の狭窄部位が押し開かれ、また、卵管にたまっている粘液状の物質が排出されます。この治療には軽い痛みが伴います。終わったあとは抗生物質などの薬を服用していただくことが必須です。


腹腔鏡による癒着剥離術、卵管形成術
 腹腔鏡はおなかの中を見る胃カメラのようなものですが、検査と同時に治療もできます。卵管の周囲の癒着は腹腔鏡で見ながら剥離してしまうことができます。また、卵管の出口がつまってしまっているときには卵管形成術といって腹腔鏡で見ながら卵管の出口を開けてあげる手術を行えば卵管が通るようになります。腹腔鏡手術のメリットは一度手術をすればおなかの中の状態が改善されるので、2度目、3度目の妊娠も期待できること、また、おなかの中の状態を正確に把握できることにあります。ただ、卵管の中の絨毛という微細な毛が破壊されている場合には治せない、強固な癒着や卵管内腔の閉塞の治療は完全には治療できないことがあるといった点を考慮する必要があります。


体外受精
 体外受精はもともと卵管が詰まった人が妊娠できるように開発された治療法です。卵巣から卵子を取り出し、体の外で精子と受精させて発育させてから子宮の中に戻しますから、卵管の状態に関係なく妊娠することができます。

 最近ではレーザー アシステッド ハッチング、2段階胚移植、胚盤胞移植などの技術の向上によって体外受精の妊娠率はどんどん上がってきています。卵管に問題があって妊娠しにくい場合には体外受精は重要な選択枝です。お一人目が体外受精でおできになった場合には二人目も体外受精になる確率は高くなります。






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