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  着床前診断とは 流産を減らすために 習慣流産の予防のために

流産を減らすための着床前診断


不妊治療で妊娠されても、流産してしまうと、悲しみのどん底に突き落とされてしまいます。

流産が女性の心身に大きな負担となることは言うまでもありません。流産を防ぐ治療法があれば、何とかして助けてあげたいと思うのは産婦人科医として当然持つべき良心ではないでしょうか。

流産は極めて高い頻度で、染色体異常が原因となっていることがわかっています。特に40歳以上の方では流産の83%はトリソミーが原因です。


■自然流産胎児の染色体分析結果
虎ノ門病院、佐藤孝道、産婦人科の世界 Vol.43,pp154-157、1991
※40歳以上の自然流産胎児の83%はトリソミーであった

そして、染色体異常がある受精卵は極めて高い頻度で流産、死産につながります。実際、流産胎児の染色体異常の頻度は66%もあるのに、出生児における染色体異常の頻度は0.1%くらいですから、染色体異常妊娠の98%〜99%は流産してしまうことがわかります。

■認知された全妊娠における染色体異常の頻度と胎内淘汰率
沼部博直 胎児異常と奇形ー常染色体異常 産婦人科の世界 Vol.53 771-781、2001

染色体異常 新生児(85%)における頻度 自然流産(15%)における頻度 認知された全妊娠における頻度 流産、死産の割合
常染色体トリソミー 0.12% 3.92% 4.04% 97%
21トリソミー 0.10% 0.37% 0.47% 79%
18トリソミー 0.013% 0.21% 0.223% 94%
13トリソミー 0.004% 0.20% 0.204% 98%
45,X 0.004% 1.42% 1.424% 99.7%
3倍体 0.002% 1.22% 1.222% 99.8%

流産胎児に染色体異常が多いのはおわかり頂けたと思いますが、実は、一般の受精卵にも想像を絶する頻度で染色体異常が認められます。20〜34歳の方でも59%、35〜39歳の方では63%、40〜47歳の方ではなんと受精卵の74%、すなわち3/4に染色体の異常が認められます。

■染色体異常を持った受精卵の割合
Munne et al.1995,Marquez et al.2000,unpublished data

こういった染色体異常を持つ受精卵はどうなるかというと、殆どは臨床妊娠にさえ至らず、着床しないか、あるいは、化学妊娠で終わってしまいます。

■染色体の数に異常のある受精卵の内、臨床妊娠に至らないものの割合
Munne et al. RBM Online, 2004

この図から、常染色体の異常を持つ受精卵では約90%は臨床妊娠にさえ至らないことがおわかり頂けると思います。しかも、先にお示ししたように、染色体異常を持つ受精卵が、もし、臨床妊娠まで至ったとしても、大半は流産に終わってしまいます。

着床前診断で染色体異常のない受精卵を選んで子宮に戻してあげることによって、体外受精で妊娠された後の流産の可能性を大きく減らすことができます。

また、臨床妊娠に至る可能性の高い受精卵を選んであげることで、体外受精の妊娠率を上げることも可能です。






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